みなさん、こんにちは。
第1回公認心理師試験の全日程が修了し、ほっと一息ついたら、もうはや3月だと気づいた、ダメダメ心理士・日本代表のcolonです。

え…、もしかして第2回公認心理師試験まで、もう5ヶ月しかないの?

はっやいわー(*´□`)
光陰矢の如し、ですね。

ところで、先日Twitterを見ていたら昨年の試験問題で解説をしといた方がいいかなと思ったものがあったので、ちょっと解説しつつ、カウンセリング(いわゆる心理面接)や心理検査で注意しなければならないことについて、私なりの意見を述べてみるでござる、ザルザル。

みなさん、昨年(2018年)12月16日に行なわれた第1回公認心理師試験・追加試験の問題は解いてみましたか?

なかなか難しい内容でしたが、Twitterであるサイトの方がこの問題の解説をされていることを拝見しましたが、どうも問題16の正解がうまく説明できなかったようです。

ふむ…(*゚Д゚*)

この問題、私は正解しており、その理由も明確なので、これから公認心理師試験を受験される方、また資格取得に向けて勉強されている学生さん向けに、ちょっとご説明しておきたいと思います。

問題は以下の通り。

第1回公認心理師試験・追加試験問題(午前)

問題16
初回面接でのクライアントとの関わりにおいて必要な態度として、最も適切なものを1つ選べ。

① ラポール形成のために、早急な助言を控える。
② クライエントの主観的現実よりも客観的事実を重視する。
③ クライエントの言葉に疑義を挟まず、そのままの言葉の返す。
④ 主訴と状況を早く理解するために、できるだけ多くの情報を得る。
⑤ クライエントが主訴とその状況を話しやすいよう、定型の質問を準備しておく。

…さあ、みなさんの答えはどうなったでしょうか?私は問答無用で①を選びました。
そして公式回答でも①が正解だったようです。

なぜでしょう?
私がダメダメ心理士・日本代表だからでしょうか?

いやいやそんなことないです。

厚労省はちゃんと考えているでしょう(*´▽`*)

ということで、それぞれの選択肢の正誤の理由について、カウンセリングや心理検査での注意点を交えて解説してみます。

まず、
選択肢①“ラポール形成のために、早急な助言を控える”。

これが正解です。

まず、カウンセリングの初回面接ではクライエント(病院では患者さん)とラポール、つまり信頼関係を作ることが必要です。

では、どうやって信頼関係を作ったらよいのでしょうか?

みなさんご存じの通り、クライエントを受容することが必要ですよね。
なので、相手の話を否定せず、受容的に聞いていかなければなりません。

ロジャースの心理面接における重要な3つの態度を言えますか?

1.無条件の肯定的関心
2.共感的理解
3.自己一致

です。

このうち、1.無条件の肯定的関心がカウンセリングを進める上で非常に重要だと筆者も思っています。
特に初回面接では極めて重要でしょう。

なぜか。

初回面接で受けた心理士(公認心理師)の印象が、結構その後の面接にも影響するからです。

初回面接で心理士がどんな話も批判せず聞いてたら、クライエントは

「あ、この人は自分の話を批判せずに聞いてくれるんだ。ここでは、どんな話もしていいんだ」(*´▽`*)

と思って、その後の面接でもいろいろな話をしていくでしょう。

でも、もしいきなりカウンセラーに「あなたはこういう状態なんだから、こうすべきだ」と言われたらどうでしょう?

クライエントは

「なんだ、この人も自分の話を批判するんだ。もう、心の内を明かさないでおこう」(;´Д`)

と思って本心を話してくれなくなるかもしれません。

そして、そのうちカウンセリングに来なくなるかもしれません。

たとえ、心理士の助言が正しいとしても、です。

そもそも“助言”というものは、多分に価値観や判断を含んだものだと筆者は考えています。
だって、物事を是非をある一定の基準で判断しなければ、助言はできませんもんね。

なので、“助言”というのは意外に価値観や判断を含んでいるもので、“無条件”ではないと筆者は思っています。

よって、選択肢①が正解であり、カウンセリングでは初回面接で早急な助言を控え、クライエントと信頼関係を築き、この後続くであろう面接で話しやすいよう、カウンセラーは援助しなければなりません。

ここまではみなさんも、すぐにわかったのではないでしょうか。

では、他の選択肢を考えてみましょう。

選択肢②“クライエントの主観的現実よりも客観的事実を重視する。”

確かに客観的事実も検討しなければなりませんが、初回面接で一番目指すべきなのは、

クライエントとの信頼関係の構築です。

客観的事実を重視すると、特に妄想などを持っているクライエントの場合は彼らの話を否定することになってしまいます。
これでは、クライエントを十分受容できませんし、ロジャースが挙げた面接に必要な態度、1.無条件の肯定的関心、にも反します。

よって、選択肢②は間違いです。

これも、わかりやすいですね。

次に

選択肢③“クライエントの言葉に疑義を挟まず、そのままの言葉を返す”。

ふむ。

確かに、面接の技法として、クライエントの言葉を言い返す、というものがありますが、単なる言い返しはオウム返しと一緒で、傾聴していることになりません。
これでは、ロジャースが挙げる面接技法の2.共感的理解にはなりませんね。

また、3.自己一致のためにも、クライエントの話に理解できないこと、わからなかったことが出てきた場合は、カウンセラーが理解するために必要に応じて、疑義つまり質問して確認しなければなりません

よって、選択肢③は間違いになります。

では、1つ飛んで

選択肢⑤“クライエントが主訴とその状況を話しやすいよう、定型の質問を準備しておく”。

うーん…(´∀`;)

確かに診察や司法面接のように一回の面接でさくっと評価したり事実を確認したりするためには定型の質問をした方がいいと思われますが、継続面接で深い面接をしなければならない場合には定型の質問だけでは十分な傾聴や共感的理解ができません。

よって、選択肢⑤も間違い、となります。

問題は選択肢④でしょう。

選択肢④“主訴と状況を早く理解するために、できるだけ多くの情報を得る。”

どうして、これが間違いなのでしょうか。

確かに初回の面接でできるだけ多くの情報があれば、クライエントの早い理解につながれそうです。

しかし、情報をたくさん得るためには普通、たくさん質問しなければなりませんよね。

何回か面接を重ねて少しずつ、共感を交えながら聞いて行く分には問題ありませんが、

普通、初回面接は長くて90分、1時間半です。

その時間で、

クライエントの主訴の確認

問題の経過の確認

家族歴の聴取

その他の背景の確認

面接に期待することの確認

インフォームド・コンセントなどなど…

みなさん、いっぺんにできると思いますか…?

わたしゃ、無理だね(* ´ ▽ ` *)

90分でやるったら相当な情報量ですし、これだけの情報を得るためには、クライエントに疑義を挟ませず、心理士が一方的に質問しなければならないでしょう。

いや、そうしたとしても、全部の情報を得るなんてとっても無理です。

仮にできたとしても心理士の一方的な質問に終始してしまうので、

とても傾聴とか共感的理解には行き着きません。

つまり、初回面接で心理士がクライエントの情報をできるだけ取ろう、取ろうとすると、反対にクライエントの受容、話の傾聴、共感的理解から遠ざかってしまうんです。

あと、みなさん、動機づけ面接の技法はご存知ですか?

昨年の試験のブループリントにもあった、動機づけ面接。

この技法によると、カウンセリングでクライエントに質問をするときは原則として2回までです。

なぜか。

3回以上、連続質問すると、それは…

尋問になってしまうからですΣ(´□`;)

みなさんがこれから目指すべきは、傾聴、共感です。

そして、クライエントは事件の容疑者ではありません。

だから、いくら情報が欲しいからと言って、

クライエントを尋問してはいけないのです。

…ということで、選択肢④も間違いで、一番妥当だと思われる①が正解になるのです。

めでたし、めでたし(*´▽`*)

ちなみ、筆者は心理検査も心理面接の延長線上にあると考えており、心理検査のときも、患者さんの回答を受容的に聞くようにしています。

そうすると、心理検査という構造的な関りでも患者さんとセラピューティックな関りができますし、心理検査のフィードバックをするときも自然とセラピューティックになるなあ…、と思っています。

私の思い込みかもしれませんが(笑)(´∀`;)

…ということで、みなさんの理解の助けになれば幸いです。

相変わらずくだらないですね~(*´▽`*)アハハー